特別天然記念物のオオサンショウウオが見れる

※この記事は10分くらいで読めます公開日:2014年11月22日
更新日:2015年06月01日

京都水族館の京の川ゾーン

 国の特別天然記念物であり、西日本のみに生息しているオオサンショウウオは、古代3000万年前から今までを生きてきた『生きた化石』と言われている、非常に珍しい生物です。京都水族館では、このオオサンショウウオを1匹づつの個体で、そして群れでも見ることが出来ます。よく見ればみるほどかわいいと思えてくる、この珍しいオオサンショウウオ、ぜひ京都水族館でじっくり観察して下さい。
 ちなみに・・上の写真も、よく見ると1m級のオオサンショウウオが写っているのが分かります(^^;
京都水族館で一番くいしんぼうの、ひときわ大きいオオサンショウウオです。

【このページの目次】

京の川ゾーンの場所

京都水族館の地図

 京都水族館のオオサンショウウオは、京都の川を再現した『京の川ゾーン』にいます。『京の川ゾーン』は入場してすぐのゾーンのため、チケットを渡して最初に見るのがこのオオサンショウウオになります。
※ マップをクリックでパンフレットのスキャン画像を表示

3種類の水で鴨川を再現

京都の鴨川を再現した水槽

鴨川や由良川の世界観

 『京の川ゾーン』では、京都市を流れる鴨川上流の風景を見ることが出来ます。鴨川上流は本当に自然が豊かな地域で、ここでは岩清水や砂の間から湧き出る湧水(ゆうすい)、苔の間を流れ出る滴(しずく)の3種類の水が再現されています。

京都の由良川を再現した水槽

 もう1つの水槽は、京都府の北部を流れる由良川を再現しています。由良川は丹波高地の西を源として、南丹市から若狭湾まで流れており、この水槽では由良川の上流にいるイワナやヤマメ、中流にいるムギツクやズナガニゴイ、下流にいるギンブナやコイが泳いでおり、1つの水槽で由良川の上流から下流までの、様々な生き物たちを見ることが出来ます。

鴨川で捕獲された3種類のオオサンショウウオ

水槽に入っているチュウゴクオオサンショウウオ 水槽に入っているチュウゴクオオサンショウウオとオオサンショウウオの交配種

3種類を1匹づつ展示

 日本固有種の『オオサンショウウオ』、中国原産の『チュウゴクオオサンショウウオ』、『交雑種』の3種類が、それぞれ1匹づつ水槽に展示されており、その違いを観察することが出来ます。オオサンショウウオの体の模様は全ての個体で変わり、同じ模様の個体はいないといわれています。

水槽に入っているオオサンショウウオ

 京都水族館で飼育、展示されているオオサンショウウオは、鴨川水系で捕獲された個体です。
1970年代前半に輸入されたチュウゴクオオサンショウウオ(外来種)が逃げ出したり、捨てられたと考えられており、交雑種が9割近くになり、在来種はわずか1%強しかいなくなっているそうです。外来種の繁殖力恐るべしですね。。
写真のオオサンショウウオは2015年6月現在、京都水族館でバックヤードも含めて唯一の日本固有種の貴重なオオサンショウウオです。

オオサンショウウオの説明を見てみよう

オオサンショウウオのイラスト

 京の川ゾーンの壁には、このように迫力のあるイラストとともに、オオサンショウウオの目や口、しっぽや足など体の特徴についての説明がありますので、ぜひ見て下さい。
ちなみにこのイラスト、プロのイラストレーターの小内達也さんが2015年の4月末に書かれたものです。

全身黄色のオオサンショウウオを展示

全身黄色の珍しいオオサンショウウオ

 2015年4月29日より、世にも珍しい全身黄色のオオサンショウウオの展示が始まりました。
これは『海洋ゾーン 京の海』にいる「金色のオニオコゼ」と同じように、遺伝子異常で細胞内の色素が減少したり欠損することで発生する珍しい個体で、野生では目立って外敵に襲われてしまうため、生き残るのは非常に珍しいそうです。

オオサンショウウオの生態

オオサンショウウオの群れている様子

夜行性&肺呼吸

 水槽の一番端っこに、いつもオオサンショウウオは群れでいます。館内は暗めのため、最初は写真のように気づきにくいのですが・・「いる!いっぱいいるぅ~!」という声がよく聞こえてきます。世界最大級の両生類と呼ばれており、尻尾を含めた体の大きさは80cm~1mくらいあります。

オオサンショウウオの群れている様子

 野生のオオサンショウウオは、写真のように群れで生活せずに、ソロで(1匹づつ)生活しています。
それなのになぜ、京都水族館のオオサンショウウオは、こんなに群れているのでしょうか・・?
それはオオサンショウウオは夜行性のため、水槽の中で一番暗い所がこの端っこになり、他のオオサンショウウオを石だと思っていて、その下に潜り込もうとするからなのです(^^;

オオサンショウウオの群れている様子

このため、この水槽ではオオサンショウウオの動きを見やすいように、わざと水槽の下が深くなっています。
オオサンショウウオは肺呼吸なので20分に1回くらい、水面に鼻をだして呼吸をするのですが、その時の動きが水槽が深いとよく見えるわけです。
ちなみに、オオサンショウウオの目は写真のように非常に小さくて、あまり発達していません。獲物を捕まえる時はじっと待ち伏せをして、目の前に獲物がきたら噛み付きます。とりあえず噛み付くらしいので、もしオオサンショウウオが息継ぎで水面に顔を出していても、目の前に手を差し出すのは止めましょう(^^;

2015年に鴨川産のオオサンショウウオだけになりました

京都水族館で一番大きいオオサンショウウオ

オオサンショウウオが減った!?

 2015年の春頃から「水槽のオオサンショウウオの数が減った!?」と思う人も多いのではないでしょうか。
これは水槽のオオサンショウウオが呼吸で水面に上がってくる様子などを、よりじっくり見てもらうために鴨川産だけのオオサンショウウオに減らしたからなんですね~。

京都水族館で一番大きいオオサンショウウオ

 2015年6月現在、以前の約半数の17匹の鴨川産のオオサンショウウオが水槽で暮らしおり、この水槽にはひときわ大きなオオサンショウウオウウオがいます。
上の写真でも真ん中に写っている個体ですが、身長はなんと138cm!!
体重は30kg近くもあり、なんと小学生くらいの大きさなのです。

夜はどうしてるの・・!?

京都水族館のオオサンショウウオ

 夜行性のオオサンショウウオですが、京都水族館のオオサンショウウオは夜は一体どうしているのでしょうか・・!?
営業時間中はこのように水槽で一番暗い端っこに集まっていますが、電気が消えると水槽の色んな場所に散らばっているそうです。
でも営業時間前に電気が付くと5分くらいでいつもの端っこに集まってしまうそうです(^^;

実はかわいいオオサンショウウオなのです

 見て下さい!前足をついていますが、まるで直立しているようです。
水面にちょっとだけ顔を出しているのは鼻を使って息継ぎをしているわけですね。小さい時はエラ呼吸ですが、大人になると肺呼吸にかわります。

オオサンショウウオが立っている様子
オオサンショウウオが立っている様子

 私も最初はオオサンショウウオがちょっと苦手だったのですが、この立ってる姿と小さな手袋みたいな前足、おそ末くんの『うなぎ犬』みたいな尻尾がカワイくて、全体的にもカワイイと思うようになりました(^^

 ちなみに手袋のように小さな「前足」には爪はなく、指は4本あります。
一方「後ろ足」には指が5本あるので、前足と後ろ足で指の本数が違うんですね~。
大きな尻尾は体の1/3以上あり、泳ぐときに使います。
京都水族館のオオサンショウウオは、飼育員さん特製の「エサやり棒」で週に2回、おもに「ウグイ」を与えられているとのことで、よく食べるオオサンショウウオはしっぽのあたりが太くてしっかりしており、食が細い個体はしっぽがヒラヒラしています。

大きなオオサンショウウオ

 冒頭に登場したこの個体が、一番くいしんぼうとのことで、かなり大きいです。口の周りに餌を近づけると、豪快に食いつくそうで、確かに尻尾もしっかりしていますね。
京都水族館に何度行っても、必ず入ってすぐの水槽中段の定位置でじっとしているので、行くとすぐに分かるかと思います。
ちなみに野生のオオサンショウウオは野菜の白菜や小石、焼き鳥の串なんかも食べていたそうです・・
オオサンショウウオの「食」については、3種類のオオサンショウウオを個別に展示している水槽の横にイラスト付きで詳しく書かれているので、ぜひお見逃しなく(^^

オオサンショウウオのぬいぐるみ

京都水族館のお土産オススメランキング

お土産お勧めランキング1位

 そんなオオサンショウウオですが、なんとイルカやペンギンを抑えて京都水族館のお土産ショップの売上ランキング1位です。売れてるんですね。
 と思いきや・・よく見たら『オススメ』ランキング1位でした(笑)
 でも等身大くらい大きなぬいぐるみの割には値段も2,880円(2014年11月現在)と確かにお手頃ですね。

オオサンショウウオのぬいぐるみ

 楽天で販売しているオオサンショウウオのぬいぐるみと比べると、京都水族館のオオサンショウウオのぬいぐるみのリアリティーの高さが分かります。楽天で売られているぬいぐるみも、これはこれで味があります。
 京都水族館に行った際には、ぜひじっくりオオサンショウウオを観察して下さい(^^

京都水族館のお土産オススメランキング

新たに『ころりん』も登場!

 2015年4月末に、京都水族館限定商品の新アイテム「オオサンショウウオぬいぐるみころりん」が登場しました。
本来のオオサンショウウオの胴体をかなり短くした感じで、まんまるの可愛さ倍増のぬいぐるみになっています。

オオサンショウウオのぬいぐるみ

 販売価格は「てのり」サイズが734円、「ボールチェーン」が864円、Sサイズが1,080円、Mサイズが1,620円、Lサイズが2,700円となかなかお手頃な価格となっています(^^

オオサンショウウオさん

オオサンショウさん

各種イベントに出没

 オオサンショウウオの2人のキャラクターが誕生しました。
その名も『オオさん』と『ショウさん』 です。
 二人合わせてオオさんショウさん(オオサンショウウオさん)となるわけですね。
2人は京都市立芸術大学、京都市交通局、 京都水族館の産官学連携の取り組みから生まれたキャラクターで、これから色んなところで見かける機会が増えそうです。
写真は2015年3月15日に開催された京都水族館の3周年のお祭りに出没していた時の写真です。

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